「アスベストの除去工事って、どんな流れで、どのくらいかかるの?」—— 除去工事は、ただ建材を取り外すだけでなく、飛散を防ぐための養生・隔離や、行政への届出が法律で定められています。 この記事では、調査から工事完了までの基本的な流れと、工期の目安をステップごとに解説します。
除去工事までの全体の流れ
アスベスト除去は、大きく次の6つのステップで進みます。
- ①事前調査:有資格者が建材にアスベストが含まれるかを調査・分析する。
- ②届出・計画:結果に応じて行政へ届出し、作業計画を立てる。
- ③養生・隔離:作業区画を隔離し、飛散防止の措置を行う。
- ④除去作業:湿潤化などを行いながらアスベスト建材を除去する。
- ⑤完了確認:取り残しや飛散がないかを確認し、隔離を解除する。
- ⑥廃棄処分:除去物を法令に従って適正に運搬・処分する。
事前調査の義務や対象工事については、別記事「解体工事でアスベスト事前調査は必要?」で詳しく解説しています。まずは調査が出発点になります。
ステップごとのポイント
①事前調査・②届出
アスベストが見つかった場合、工事の規模やレベルに応じて、労働基準監督署や自治体への届出・報告が必要になります。 飛散性の高いレベル1・2の建材を扱う場合は、作業開始前の届出が義務づけられており、届出から作業開始まで一定の期間を見込む必要があります。
③養生・隔離
飛散性が高い建材ほど、作業区画をプラスチックシートで密閉し、内部を負圧に保つ「負圧隔離養生」など厳重な措置が求められます。 作業員は専用の保護具を着用し、出入口にはセキュリティゾーン(更衣・洗身設備)を設けます。
④除去作業
建材を湿らせて飛散を抑える「湿潤化」を行いながら除去するのが基本です。 除去したアスベストは、その場で二重に梱包し、飛散しないよう密閉して保管します。
⑤完了確認・⑥廃棄処分
除去後は取り残しがないかを確認し、必要に応じて空気中の濃度測定を行ったうえで隔離を解除します。 除去物は「特別管理産業廃棄物」などとして、許可を持つ業者が適正に運搬・処分し、処分の記録(マニフェスト)を残します。
工期の目安
工期は建物の規模・アスベストの種類と量・レベル区分によって大きく変わります。あくまで目安ですが、次のようなイメージです。
- 戸建て住宅の一部除去(レベル3中心):数日程度。
- 中規模の改修工事(レベル2を含む):1〜2週間程度。
- 大規模・飛散性の高い建材(レベル1中心):数週間以上かかることもある。
届出が必要な工事では、届出から作業開始までの期間も工程に含める必要があります。スケジュールに余裕を持って計画することが大切です。
発注者が準備しておくとよいこと
- 解体・改修のスケジュールに、調査・分析・届出の期間も見込んでおく。
- 近隣への影響(騒音・養生・作業車両)について、業者と事前対応を相談しておく。
- 調査から除去・処分まで一貫して対応できる業者か確認しておく。