義務・法令
2026年6月13日公開

解体工事でアスベスト事前調査は必要?2023年義務化をわかりやすく解説


「家を解体したいけれど、アスベストの調査って本当に必要なの?」—— 結論から言うと、原則すべての建築物の解体・改修工事で「石綿(アスベスト)事前調査」が法律上義務づけられています。 2021年4月には調査結果の記録・保存が、2022年4月には一定規模以上の工事での調査結果の報告が、2023年10月には有資格者による調査が義務化されました。 この記事では、発注者(施主・工事業者)が押さえておくべきポイントを整理します。

そもそも石綿(アスベスト)事前調査とは

石綿事前調査とは、建築物・工作物の解体や改修を行う前に、その建材にアスベストが含まれているかを調べる調査です。 アスベストは過去に断熱材・吹付け材・成形板など幅広い建材に使われており、工事で飛散すると作業者や周辺住民の健康被害につながるおそれがあります。 そのため、工事に着手する前の調査が大気汚染防止法・石綿障害予防規則で義務づけられています。

調査が義務になるのはどんな工事?

建物の規模や築年数にかかわらず、原則として次の工事が対象です。

  • 建築物の解体工事(延べ面積を問わず原則すべて)
  • 建築物の改修・リフォーム工事(壁・天井・床などの除去や張り替えを伴うもの)
  • 工作物(煙突・配管・プラント設備など)の解体・改修工事

「うちは木造の古い家だから関係ない」と思われがちですが、木造住宅でも屋根材・外壁・内装ボードなどにアスベストを含む建材が使われている場合があります。築年数が古いほど該当する可能性は高くなります。

近年の法改正で何が変わった?

近年の主な改正点は次の3つです。発注者にも影響する重要な変更です。

  • 2021年4月〜:事前調査結果の記録の作成・保存(3年間)が義務化。
  • 2022年4月〜:一定規模以上の工事(建築物の解体は床面積の合計80㎡以上、改修や工作物は請負代金が税込100万円以上)について、事前調査結果を労働基準監督署・自治体へ電子報告することが義務化。
  • 2023年10月〜:建築物の事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」などの有資格者が行うことが義務化。資格のない人による調査は認められません(工作物についても2026年1月から「工作物石綿事前調査者」による調査が必要です)。

つまり現在は、「誰でも目視で確認すればよい」のではなく、資格を持った調査者による調査と、記録・報告までがワンセットで求められています。

調査から工事までの基本的な流れ

  • ①書面調査:設計図書や過去の調査記録から、使用建材を確認する。
  • ②現地調査:有資格者が現地で建材を目視確認し、必要に応じて検体を採取する。
  • ③分析:採取した検体を分析機関でアスベストの有無・種類を判定する。
  • ④記録・報告:調査結果を記録し、対象工事は自治体・監督署へ電子報告する。
  • ⑤工事:結果に応じた飛散防止措置を行ったうえで解体・改修を実施する。

発注者(施主・元請)が注意すべきこと

調査や報告の義務は、基本的に工事の元請業者が負います。ただし発注者にも、調査が適切に行えるよう協力する責務があり、調査・分析にかかる費用や工期も見込んでおく必要があります。 「調査をしないまま工事を進める」「無資格者に調べさせる」といった対応は法令違反となり、工事の中断や罰則につながるおそれがあります。

調査会社の選定で迷ったら、複数社から見積を取り、有資格者の在籍・対応エリア・報告まで一括対応できるかを比較するのが安全です。

出典・参考

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